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密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック*鴨崎暖炉

  • 2022/07/18(月) 18:12:22


第20回『このミステリーがすごい! 』大賞・文庫グランプリ受賞作!

「連発される密室トリックの中ではドミノの密室がイチ推し。本格ミステリ刊行ラッシュの中に割って入るだけの力はありそうだ」大森 望(翻訳家・書評家)
「密室殺人づくしの趣向が楽しい。主役の二人をはじめキャラ設定もいかにもマニアックかつ軽快」香山二三郎(コラムニスト)
「これでもかというくらい密室ネタを盛り込んで、遊び心たっぷり。探偵役となる少女も謎めいていて魅力的だ」瀧井朝世(ライター)

「密室の不解証明は、現場の不在証明と同等の価値がある」との判例により、現場が密室である限りは無罪であることが担保された日本では、密室殺人事件が激増していた。
そんななか著名なミステリー作家が遺したホテル「雪白館」で、密室殺人が起きた。館に通じる唯一の橋が落とされ、孤立した状況で凶行が繰り返される。
現場はいずれも密室、死体の傍らには奇妙なトランプが残されていて――。


密室が何より好きな主人公と、かつて前代未聞の密室を作り、父を殺害した少女のコンビ(と言えるのかどうかはさておき)が、いままでにない設定で興味深い。犯人が誰かよりも、密室をどうやって破るかの方に重きを置くという姿勢も新しい。ただ、会話のリズムがどうも個人的な好みからは外れているせいかしっくりこないので、何となく物語にのめりこめないのが残念ではある。ラストに含みを残しているところから、次があるのかもしれない。さまざまな密室の破り方を楽しめる一冊ではある。

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