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明日の記憶*荻原浩

  • 2005/06/02(木) 21:36:44

☆☆☆☆・




 「誰だっけ。ほら、あの人」
 最近、こんなせりふが多くなった。


から物語ははじまる。
主人公は、五十歳になったばかりで、若年性アルツハイマーに冒された佐伯。

一日といわずにいままで疑わなかった記憶が頭に突然白紙を差し入れられたように真っ白になり崩れてゆくのは、どんな気分のものなのだろう。想像はおそらく現実には追いつけないだろう。
諦めかけながら、自分を奮い立たせ、また落ち込みそれでも少しでも記憶を留める努力をする佐伯の姿が、他人事ではなくわたし自身の明日の危うさを思わせる。
読んでいるこちらが苦しくなるような一冊だった。

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明日の記憶 [荻原浩]

明日の記憶荻原 浩 光文社 2004-10-20広告マンとして忙しい日々を送っていた佐伯。体調に不安を感じ、病院で検査を受けたところ、「若年性アルツハイマー」と宣告された彼は…。正直読み始めは「また広告業界の人の話…」と思ってしまったりもしましたが。名前だけは有名だ

  • From: + ChiekoaLibrary + |
  • 2005/12/05(月) 13:55:28

明日の記憶/堤幸彦

人が存在する理由、それは必要だと言ってくれる人がいるからだと思います。この映画は、若年性アルツハイマーに犯された佐伯雅行という人物(渡辺謙)が、妻(樋口可南子)に支えられながら、病気を受容して生きて行こうとする姿を描いた物語です。広告代理店の第一線で働い

  • From: 文学な?ブログ |
  • 2006/06/09(金) 02:08:54

Memories Of Tomorrow

『明日の記憶』大手広告代理店の部長を務める佐伯雅行(渡辺謙)は、50歳を目前に大きなプロジェクトと娘の結婚を控えていました。そんな仕事も家庭も順風満帆だった中年男性に突如、病が襲います。病名は若年性アルツハイマー。この病は決して他人事ではなく、実際に誰の

  • From: Tokyo Bay Side |
  • 2006/07/21(金) 23:00:55

「明日の記憶」荻原浩

タイトル:明日の記憶著者  :荻原浩出版社 :光文社読書期間:2007/01/23 - 2007/01/24お勧め度:★★★★★[ Amazon | bk1 | 楽天ブックス ]人ごとだと思っていたことが、我が身に起きてしまった。若年性アルツハイマーと告げられた佐伯。彼には、記憶を全てなくす前に

  • From: AOCHAN-Blog |
  • 2007/02/19(月) 21:03:00

明日の記憶/荻原 浩 [Book]

{/kaeru_fine/} 荻原 浩:著 『明日の記憶』 明日の記憶光文社このアイテムの詳細を見る 1年ほど前、渡辺 謙さん主演で映画化されたので、 タイトルに覚えのある方は多いでしょう。 自分の記憶が、日に日に怪しくなる。 約束したはずのことが、すっぽり抜けている。

  • From: miyukichin’mu*me*mo* |
  • 2007/06/05(火) 01:24:28

この記事に対するコメント

なるほど、自分自身の明日…怖いですね。その怖さを感じさせるという点でもすごくリアルだったと思います。

  • 投稿者: chiekoa
  • 2005/12/05(月) 13:56:56
  • [編集]

 こんばんは♪
 TBどうもありがとうございました。

 読んでいてつらさと恐怖がありました。
 でも、ラストに救われた気がします。
 現実的ではないのでしょうけど・・・。

  • 投稿者: miyukichi
  • 2007/06/07(木) 22:17:16
  • [編集]

ラストはじんわりさせられましたね。

現実は、あんなきれいごとでは済まされないのでしょうけれど・・・。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2007/06/08(金) 07:08:59
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