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ルチアさん*高楼方子

  • 2005/06/02(木) 21:38:40

☆☆☆・・


 もうずいぶん昔のことです。あるところに〈たそがれ屋敷〉と
 よばれている一軒の家があり、奥さまと、ふたりの娘と、
 ふたりのお手伝いさんが暮らしていました。

 謎が時間を超えて継がれていく風変わりなものがたり。

 なぜ、ルチアさんって光っているの?
 ふたりの少女の家にやってきた、あたらしいお手伝いのルチアさん。
 ふたりの目にだけ、その姿がぼうっと光かがやいてうつるそのわけは

                     (帯より)


キラキラ輝くどこかのことを強く想うと、人はここ と どこか の両方に生きられるかもしれない、とルチアさんの特別をわかった人たちは思う。
スゥとルゥルゥの父やピピン叔父さんや そしてルチアさんも、ここに生きているのと同じように、水色のきれいな実のなる木があるキラキラ輝く場所にも生きているのだろう。
いつも弾むように活き活きと働き、愚痴や不平や人の悪口を言わずに、好き嫌いもなく光っている。

ここではないどこかを強く想う心は人に何をするのだろう。
人はその想いでそこへ行くことができるのだろうか。
40年ほど後のスゥとルゥルゥの姿がその答えのようにも思える。

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