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ナイフ*重松清

  • 2005/08/05(金) 17:18:00

☆☆☆☆・



 五つの家族の小さな幸福と苦い闘い――
 小さな幸福に包まれた家族の喉元につきつけられる“いじめ”という名の鋭利なナイフ。
 日常の中の歪みと救いをビタースィートに描き出す出色の小説集!
  (帯より)


笑っていることで、いじめられているという事実から ほんの一瞬でも目をそらせると思い込んでいる子どもの、崩れ落ちるギリギリの崖っぷちで精一杯歯を食いしばっている姿に、親は何をしてやれるのだろう。
いじめられていることを誰よりも知らせたくないのが親だという。
子どもの立場にたってみると、それは痛いほどよくわかる。親にとって子どもは何物にも替えがたい宝なのだ。子ども自身が誰よりもそのことをよくわかっているから、だからこそ、その宝がないがしろにされていることを親だけには知られたくないのだ。
だが親の立場になってみれば、これほど切ないことはない。
何かあったときに どこよりも安心して逃げ帰れる場所でありたいと願っているのに、何も知らされないのだ。やりきれない。
いじめが社会問題化して久しいが、一向になくなる気配を見せていない。
どうして?なんで?と、みんながいじめに疑問を抱けば、いじめなんてなくせるんじゃないか、と思うのは甘すぎるのだろうか。
みんなに読んでほしい一冊である。






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じゃじゃままブックレビュー

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ナイフ

えぐられました。重松清の「ナイフ」。これは小中高生の現状をもとに書かれているはずだから同じようなことがどこかで本当に起きているんだと思うと。 私は「いじめはいじめられた側に責任がある」というやつとは一生友達になれないと思う。 強くなることが上から

  • From: minimoso |
  • 2005/08/06(土) 19:23:56

「ナイフ」(重松清著)

 今回は 「ナイフ」 重松 清著 です。この本は坪田譲治文学賞受賞作ですね。それとこの本は5編の短編を収録している短編集です。...

  • From: たりぃの好きなもの |
  • 2005/09/20(火) 21:35:52

ナイフ

ナイフ重松 清短編集。でも全ての章が独立しているのではなく、1章から順に連なっています。本編ももちろんのこと、後書きまで興味深いです。現代の中高生とその家族を綺麗に描いてます。綺麗にというのは、美しくという意味ではなく、汚い部分までも。全てを余すことなく、

  • From: No Title Books |
  • 2005/11/26(土) 14:23:38

ナイフ 重松清著。

これ、全然泣けなかったし、多分重松作品の中でも嫌いな本。 「ワニとハブとひょうたん池で」 ゲームのようにいじめが始まった。家族には言えない、心配かけられない、無理して笑うその姿にちょっと泣きそうになったけど。 ハブにされることに怯えるのではなく、こっちの?...

  • From: じゃじゃままブックレビュー |
  • 2008/01/26(土) 23:44:16

この記事に対するコメント

重松さんの中でも、珍しく嫌いかな?って思える作品でした。
いじめについて、どれもみんないじめられてる側が我慢して、時が経つのを待って、悟って、ってばかりで、どこにもいじめてる子たちに叱る大人が出てこなくて・・・。唯一救いだったのは「エビスくん」でした。

  • 投稿者: じゃじゃまま
  • 2008/01/26(土) 23:47:02
  • [編集]

いじめが題材の作品は救われないことが多いですね。
人間って学習能力があるはずなのにどうしてなくならないのか、と哀しくなります。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2008/01/27(日) 09:13:40
  • [編集]

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