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宙の家(ソラノイエ)*大島真寿美

  • 2005/09/03(土) 17:21:00

☆☆☆・・



 文學界新人賞受賞ですっきりデビュー。
 大島真寿美心からのファースト!

 冬。
 しずかに進む萩乃おばあちゃんの死。
 夏。
 ゆっくり溶けはじめる波貴くんの心の氷。
 16歳の雛子(ひなこ)が凝視する二つの生は、
 もう一つ先のファンタジー。
               (帯より)


表題作のほか『空気』
けれどこの二作は、ふたつでひとつなのだろう。分かち難く、なくてはならない。

ある冬の日、雪がひどく降りだし、学校が早く終わった雛子は いつもの通り一刻も早く眠ろうと真っ直ぐに家に帰った。そしてそこで出会ったのは、いつもの通りのおばあちゃん・萩乃の通信不能になった姿だった。
雛子の家はマンションの11階・1105室。宙に浮かぶ家である。
ここに引っ越してきたのは雛子が幼稚園のとき。おじいちゃんが亡くなり、おばあちゃんを引き取ることになり、母のお腹には弟の真人がいるというときだった。そして今、父は九州に単身赴任している。

『宙の家』では萩乃の、『空気』では真人の友だちの郁丸くんの兄・波貴くんの そして雛子自身の生について考えさせられることになる。
誰もはっきりと答えを与えてはくれないが、きっと人は自分で自分の生を抱えて生きるしかないからなのだろう。どんなに近しい人でも、その生を抱えることはできないのだ。たとえ僅かながらでもふれあうことができたとしても。

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宙の家 [大島真寿美]

宙(ソラ)の家大島 真寿美 集英社 1992-11マンションの1105室に住む雛子たち一家。父の理一は単身赴任。母・圭以子、弟・真人、祖母・萩乃と暮らす日々に、ある日変化が…。第15回すばる文学賞の候補作となった「宙の家」と、その続編である「空気」のニ編が収録されていま

  • From: + ChiekoaLibrary + |
  • 2005/10/31(月) 14:50:25

宙の家(ソラノイエ) 大島真寿美著。

大島氏の作品らしくないといえばそうなのかもしれない。大島さんの作品には、いつも不思議な優しさが溢れていて、「宙の家」は最初それがないように感じたから。 地上11階に住む雛子の家は、単身赴任で不在の父、理一、その母である祖母萩乃、姑と同居という形で母、圭以

  • From: じゃじゃままブックレビュー |
  • 2007/03/30(金) 14:21:20

「宙の家」大島真寿美

宙(ソラ)の家 (角川文庫)(2006/12/22)大島 真寿美商品詳細を見る 一刻も早く家に帰って眠りたい。女子高に通う雛子は、学校にいるといつもそう思う...

  • From: しんちゃんの買い物帳 |
  • 2008/05/25(日) 22:37:02

この記事に対するコメント

生と死。この静けさの中で語られるっていうところがすごく響きました。

  • 投稿者: chiekoa
  • 2005/10/31(月) 14:51:10
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波貴と雛子の会話はちょっと私には理解できなかったんですけど、良一の存在がいいなと思いました。

  • 投稿者: じゃじゃまま
  • 2007/03/30(金) 14:23:05
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こんばんは。
痴呆という重いテーマでありながら、その大変さが本当に分かっていない孫たち。その雛子がおばあちゃんと通信するカタカナ言葉が重さを和らげ、その後の「空気」でまいってしまうが、抜け出すきっかけが大島さんらしい一瞬の出来事だと思いました。

  • 投稿者: しんちゃん
  • 2008/05/25(日) 22:47:19
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テーマの重さを、その重さのまま描かないのが大島さん流なのかもしれませんね。
宙に浮かぶ家でとても静かな時間の流れのなかに置かれて
夢と現のはざまにいるような不思議な浮遊感も感じました。
この作品で、大島ファンになりました。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2008/05/26(月) 06:49:21
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