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星の王子さま*池澤夏樹訳

  • 2005/09/17(土) 07:56:11

☆☆☆☆・



サン=テグジュペリの Le Petit Prince の新訳。
この作品の新訳に、最初に訳した内藤濯氏の『星の王子さま』というタイトルをそのままつけることについては論争もあるようだが、≪訳者として≫で池澤氏ご自身が書いておられるように、原題直訳の『小さな王子さま』では伝えきれないものが『星の王子さま』には篭められており、これ以外の邦題は考えられない。わたしもまったくその通りだと思う。

内藤濯氏訳の『星の王子さま』を読んだのは、まだ小学生の頃だったので、忘れていることも多かったこともあるが、初読ではただ風景を見えるままに追っていたのだということを思わされた。目に見える風景の底に流れる哲学的とさえも言えるあれこれを今回は愉しむことができ、こんなにも悲しい物語だったかという思いを強くした。

さまざまな年代なりに、さまざまな愉しみ方のできる一冊である。

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