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刺繍する少女*小川洋子

  • 2005/09/25(日) 17:08:02

☆☆☆・・



 寄生虫図鑑を前に、
 棄てたドレスの中に、
 ホスピスの一室に、
 もう一人の私が立っている。
 記憶の奥深くにささった小さな棘から始まる
 ふるえるほどに美しい愛の物語
              (帯より)


短編集。
表題作のほか、森の奥で燃えるもの・美少女コンテスト・ケーキのかけら・
図鑑・アリア・キリンの解剖・ハウス・クリーニングの世界・
トランジット・第三火曜日の発作。

日常の喧騒の延長線上にありながら、たしかに隔てられている場所の物語たちである。
どの物語でも主人公は≪死≫の身近におり、何らかの形でそれを受け容れている。
喧騒の届かないガラスに隔てられたような印象を抱かせるのは、その場所が主人公の心のプリズムを透って映し出された場所だからなのかもしれない。

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