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ニッポン硬貨の謎*北村薫

  • 2005/11/06(日) 17:23:02

☆☆☆・・



 一九七七年、ミステリ作家でもある名探偵エラリー・クイーンが
 出版社の招きで来日し、公式日程をこなすかたわら東京に発生していた
 幼児連続殺害事件に興味を持つ。
 同じ頃、大学のミステリ研究会に所属する小町奈々子は、
 アルバイト先の書店で、五十円玉二十枚を「千円札に両替してくれ」と
 頼む男に遭遇していた。
 奈々子はファンの集い<エラリー・クイーン氏を囲む会)に出席し、
 『シャム双子の謎』論を披露するなど大活躍。クイーン氏の知遇を得て、
 都内観光のガイドをすることに。
 出かけた動物園で幼児誘拐の現場に行き合わせたことから、
 名探偵エラリーの慧眼が先の事件との関連を見出して・・・・・。

                               (見返しより)


エラリー・クイーンが来日した折の事件を題材にした未発表原稿があるということで、クイーンを敬愛してやまない北村薫氏に訳者として白羽の矢が立った。
節ごとに丁寧な訳注を入れながら訳されていく物語は連続幼児殺人事件の犯人を追いつめることだった。
大学のミステリ研に属する奈々子は、大学の先輩で日本でのクイーンの世話役である白井の伝で囲む会に出席し、マニアックな質問で氏を喜ばせ在日中の多くの時間を共に過ごすことになったのだが、連続幼児殺人事件と彼女とは無関係ではなかったのだった。

翻訳口調にはやはり馴染めず、時代錯誤や認識不足な点も多々見られるが、まあかえってそれも味があるか・・・・・などと思って読んでしまいそうである。
というのも、これは実は純然たる北村薫さんの(エラリー・クイーンの未発表の原稿を翻訳している という体裁を取った)小説なのだから。
奈々子が ≪描表具≫という 絵で言う額縁の部分にまで絵を書く技法でクイーンの『シャム双子の謎』を説明する個所があるが、この『ニッポン硬貨の謎』にこそ描表具の技法が使われているのである。

そして、この奈々子のモデルは学生の頃の若竹七海さんであり、彼女の実体験を元に書かれた『競作 五十円玉二十枚の謎』に北村氏が加わらなかった理由がこの本なのである。

 TB
ざれこさん
藍色さん

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「ニッポン硬貨の謎」北村薫

ニッポン硬貨の謎発売元: 東京創元社価格: ¥ 1,785発売日: 2005/06/30売上ランキング: 15,864おすすめ度 posted with Socialtunes at 2006/02/10ご存じでしょうが、予習が必要です。私が考える予習本をラストに挙げておきますんで、北村薫は好きだけどエラリー・クイーン

  • From: 本を読む女。改訂版 |
  • 2006/02/14(火) 16:04:44

ニッポン硬貨の謎:エラリー・クイーン最後の事件、北村薫

装画は石川絢士。デビュー作は「空飛ぶ馬」、日本推理作家協会賞受賞作は「夜の蝉」。「秋の花」「六の宮の姫君」「朝霧」までの円紫さんと私シリーズ、「覆面作家は二人いる」シ

  • From: 粋な提案 |
  • 2006/05/02(火) 13:51:14

この記事に対するコメント

別人

エラリー・クインが、別々のつまり二人だと知ったのは、25年ほど前だったと思う。ショックだったのを覚えているよ。

  • 投稿者: 光りトカゲ
  • 2005/11/07(月) 17:42:35
  • [編集]

知ったときには

頭が混乱しましたね。
エラリー・クイーンって本当は誰なの?
作者なの?探偵なの?って^^

  • 投稿者: ふらっと
  • 2005/11/07(月) 17:53:21
  • [編集]

はじめまして。

はじめまして。
リンクをたどってうかがいました。
同じ本の記事をトラックバックさせていただきます。
エラリー・クイーンへの敬愛がすごく感じられる作品でしたね。
こちらからリンク貼らせていただきました(画面左下です)。
コメントやTB返しなどいただけたらうれしいです。
お気軽にどうぞ。

  • 投稿者: 藍色
  • 2006/05/02(火) 10:33:54
  • [編集]

藍色さんはじめまして。
TB、こちらには反映されていないようですね。
右上でお知らせしているように、迷惑TB対策で 元記事にリンクが貼られていないblogからのTBを受け付けない設定になっているので それが原因かもしれません。
お手数でも リンクを貼ってからもう一度試していただけると嬉しいです。
こちらからのTBは受け付けられているようなので。

これからもどうぞよろしくお願いします。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2006/05/02(火) 13:15:36
  • [編集]

お届けできました。

教えていただいて、ありがとうございました。
サイトにリンクを貼るんじゃなくて、送るページにリンクを貼らないといけなかったのですね(汗)。
お手数をおかけしてすいませんでした。
サイトにはこちらからリンクさせていただきました。

この作品は翻訳口調で読みにくく、ほんとに昔の推理小説を読んでいるような気がしました。
そこまで取り入れるのが、パスティーシュというものなのでしょう(笑)。

ふつつかものですが、これからもよろしくお願いします。

  • 投稿者: 藍色
  • 2006/05/02(火) 14:26:18
  • [編集]

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