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高く遠く空へ歌ううた*小路幸也

  • 2005/11/13(日) 17:55:25

☆☆☆・・



カタカナの町シリーズの2作目。
舞台は、丘の上の町。そこには空をさえぎるものがなにもなく 広く高い空はいつでもどこまでも広がっていて 虹がきれいに全部はっきりと見えるのだった。
小学校6年のギーガンこと早川康哉は、ビギニングウィークと呼ばれる春合宿へ行く朝 生まれてから10人目の死体を見つけてしまったのだった。
死体を見つけるのはそういえばいつも霧が濃くでる日曜日の翌日だった。
ビギニングウィークというのは、小学部・中等部・高等部から選ばれた優秀な数人が、次の学年に上がる前に合宿のような共同生活をすることだった。
脳のどこかの配線が繋がっていないかのようにどういうわけか感情を表情に現わせず、能面のような顔しかできないギーガンや幼なじみのケイトや誠くん、そしてビギニングウィークで出会った中等部の柊さんたち、左側の丘の下の町に暮らすルーピーが、この町で起こる不思議なことに丸ごと巻き込まれてゆくのだった。
気づかないうちにこの町で密かに繰り広げられていた 前作同様の≪解す者≫と≪違い者≫の静かな闘いが、≪違い者≫を父に持ち少し人とは違う力を持つギーガンを呼び寄せてしまったのだろう。
≪違い者≫が存在する限り、≪解す者≫はそこに現われるのだろう。次はどこの町だろうか。


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しんちゃんの買い物帳

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「高く遠く空へ歌ううた」小路幸也

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  • From: しんちゃんの買い物帳 |
  • 2007/11/02(金) 17:02:18

この記事に対するコメント

続きが

気になるところですが,なんだかこの
2作で打ち止めになってるっぽいですね。
小路さんのインタビュー記事等は読んだことないのですが,また書いてくださるのでしょうか?
作品に流れている雰囲気はかなり好きです。

  • 投稿者: mamimix
  • 2005/12/21(水) 19:25:27
  • [編集]

どんどん続きそうな設定なのにねぇ。
打ち止めですか。
そのうち次のカタカナの町に出会えることを祈りましょう♪

  • 投稿者: ふらっと
  • 2005/12/21(水) 21:12:47
  • [編集]

ルーピーとの友情、亡きお父さんに、じーんときました。

最後になって、やっと前作と繋がりましたね。
そっか、こうなっていたのか。

  • 投稿者: しんちゃん
  • 2007/11/02(金) 17:06:35
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読みはじめはシリーズ物なのかどうかよく判りませんでしたものね。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2007/11/02(金) 18:05:58
  • [編集]

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