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金春屋ゴメス*西條奈加

  • 2006/01/08(日) 17:54:37

☆☆☆☆・



よく来たな。(ニヤリ)
竹芝埠頭から舟に揺られて江戸国に!?
第17回日本ファンタジーノベル大賞
大賞受賞作

300倍の難関を潜り抜け、日本から江戸国へ入国を果たした大学生の辰次郎。連れは、元外資系金融勤務の時代劇オタク松吉(NY出身・24歳)&28ヶ国を渡り歩いた海外旅行マニアの奈美(25歳)。身請け先は、容貌魁偉、冷酷無比、極悪非道、厚顔無恥、大盗賊も思わずびびる「金春屋ゴメス」こと長崎奉行馬込播磨守だった!ゴメスは、辰次郎に致死率100%の疫病「鬼赤痢」の謎を追えと命じる――。
 ――帯より


江戸に入る、というからタイムスリップするのかと思いきや、この物語の江戸国はれっきとした現代日本にある場所なのだった。治外法権というのか日本の属領というのか、外国からは国として認められていないが、日本からは外国扱いされているという いたって珍しい立場に置かれた場所なのである。
江戸国に入国するには非常な高倍率を潜り抜け、しかも、文明日本の物を持ち込んではいけないのである。一旦江戸国へ入ると、そこはもうまるで本物の江戸時代なのである。辰次郎が世話になるのは「裏金春」と呼ばれる長崎奉行馬込播磨守、通称金春屋ゴメスである。ゴメスとは見かけどおりな呼び名だと思えば、本名の馬込寿々(マゴメスズ)の真中を抜き出したのだそうな。

辰次郎が難関を一度で突破して江戸国入りができたのは、彼が、15年前に起こり、また最近もチラホラと起きている「鬼赤痢」からの唯一の生還者だったからであった。不可思議な疫痢の謎を解くために 失われていた15年前の記憶を辿る辰次郎だったが__。

こんなに狭い日本の中に 治外法権の別の国があり、しかもそれが江戸時代そのままの江戸国だというところからまず頭の中が「???」でいっぱいになる。
辰次郎等と共に舟に揺られて入国した心地になって読み進むと、確かにあらゆることが現代日本と比べて不便であるのだが、それがなんとも言えず心地好いのである。何をするにも自分から働きかけなければ あちらからやってきてくれることはないという暮らしは休む間もないようにも思えるが、実は精一杯その日その日を生きている実感を伴うのではないかと思われる。辰次郎と共に江戸に渡った現代日本の若者たちが帰りたくなくなる気持ちがわかる気がした。

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金春屋ゴメス [西條奈加]

金春屋ゴメス西條 奈加 新潮社 2005-11日本にありながら、自治独立の国である「江戸」。鎖国体制をひいており、入国するには300倍とも言われる倍率の抽選を勝ち抜かないといけないその江戸へ、裏口入国を果たした大学生の辰次郎。江戸での彼の身請け先は、容貌魁偉、冷酷無

  • From: + ChiekoaLibrary + |
  • 2006/06/14(水) 17:11:32

「金春屋ゴメス」西條奈加

「金春屋ゴメス」西條奈加(2005)☆☆☆★★※[913]、国内、近未来、小説、ファンタジー、江戸、疫病、第十七回日本ファンタジーノベル大賞「不遇の文学賞」と勝手に名付け愛してやまない日本ファンタジーノベル大賞の最新受賞作。この賞の相変わらずの懐の深さを思い知った

  • From: 図書館で本を借りよう!~小説・物語~ |
  • 2006/06/17(土) 11:48:26

「金春屋ゴメス」西條奈加

金春屋ゴメス発売元: 新潮社価格: ¥ 1,470発売日: 2005/11おすすめ度 posted with Socialtunes at 2006/07/25ファンタジーノベル大賞受賞作品。この賞とは相性がいいので、手にしてみた。表紙は、腕時計をして携帯をかけている江戸っぽい格好の男。期待も膨らむではないか

  • From: 本を読む女。改訂版 |
  • 2006/07/25(火) 23:06:10

『金春屋(こんぱるや)ゴメス』 西條奈加

第17回(2005年)日本ファンタジーノベル大賞受賞作。近未来の日本のなかに「江戸」があります。この設定自体が傑作。北関東から東北にかけて、東京、千葉、神奈川を足したくらいの敷地が囲まれています。そこでは江戸を模した町並みとお城があり、大川が流れていて..

  • From: 猛読醉書 |
  • 2006/10/13(金) 18:38:21

「金春屋ゴメス」西條奈加

タイトル:金春屋ゴメス著者  :西條奈加出版社 :新潮社読書期間:2006/11/07 - 2006/11/08お勧め度:★★★★[ Amazon | bk1 | 楽天ブックス ]300倍の難関を潜り抜け、日本から江戸国へ入国を果たした大学生の辰次郎。連れは、元外資系金融勤務の時代劇オタク松吉(NY出

  • From: AOCHAN-Blog |
  • 2006/11/23(木) 17:27:51

「金春屋ゴメス」西條奈加

金春屋ゴメス西條 奈加 (2005/11)新潮社 この商品の詳細を見る月に住めるほど文明が発達した時代に、日本国の中に鎖国した国があった。その国の名は江戸。江戸時代をそのまま再現した国だった。厳しい鎖国政策の中、30

  • From: しんちゃんの買い物帳 |
  • 2007/03/05(月) 16:26:12

金春屋ゴメス 西條奈加

装幀は新潮社装幀室。装画は村田涼平。ゴメスシリーズ一作目。第17回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。 近未来。主人公で大学生の辰次郎は病床の父の願いで、5歳まで住んでいた日本の中の独立国家江戸国へ。金春屋ゴメスと

  • From: 粋な提案 |
  • 2008/02/20(水) 16:33:46

この記事に対するコメント

ふらっとさん、TBありがとうございます。
本当に面白い設定の物語でしたね。
こんな手があったのね、という驚きを感じさせてくれました!

http://oisiihonbako.at.webry.info/200601/article_22.html

TBできたらいいのになあ。いつもながら悔しいです。

  • 投稿者: 里絵
  • 2006/01/20(金) 20:45:10
  • [編集]

すいません、ネーム間違えました。上のコメントは私です。いつもそそっかしいですね、私・・。

  • 投稿者: ERI
  • 2006/01/20(金) 20:46:16
  • [編集]

FC2ブログからのTBをシャットアウトする設定になっていたりはしませんか?
FC2からの迷惑TBが一時期多かったらしくて
そんな設定にされている方も結構いらっしゃるようなのです。

いつも余計なストレスをおかけして
ほんとうにごめんなさいねm(_ _)m

  • 投稿者: ふらっと
  • 2006/01/21(土) 09:36:08
  • [編集]

若者じゃないけど帰りたくなりました(笑)。いいですよね~。ファンタジーノベル大賞はハズレが少ない気がします!

  • 投稿者: chiekoa
  • 2006/06/14(水) 17:12:34
  • [編集]

実を言うと、時代物小説は苦手なので
大丈夫か?と思いつつ手にしたのでした。
でもそんなのまったく杞憂でした。
だいたい時代物小説じゃなかったし^^;
これからがたのしみですね。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2006/06/14(水) 17:34:43
  • [編集]

”江戸”の成り立ちが後半で明かされるのは巧かったですね。でも、ゴメスというキャラクターについては多少、疑問が残らないでもありません。
”大賞”としては、あともうひとつ欲しいところ・・。

  • 投稿者: すの
  • 2006/06/17(土) 11:57:11
  • [編集]

おぉ!
なかなか厳しいご意見ですね。
わたしはすっかりゴメスにひれ伏してしまいました。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2006/06/17(土) 13:44:26
  • [編集]

独特な設定の物語に引き込まれました。
不便でも魅力ある江戸がよく描かれていましたね。

横レスですが、
>実を言うと、時代物小説は苦手
え、そうなんですか?!
6年6月のことなので、もう変わってるかもですね。

  • 投稿者: 藍色
  • 2008/02/20(水) 16:20:39
  • [編集]

ふふ。。おっしゃるとおり、時代物に対する苦手意識は
ずいぶん薄れているこのごろです。
書き手にもよるのでしょうけれど・・・。

この作品は、ひと口に時代物と言ってしまえない設定の妙でしたね。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2008/02/20(水) 17:04:53
  • [編集]

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