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わくらば日記*朱川湊人

  • 2006/03/06(月) 17:32:48

☆☆☆・・



姉さまの“あの力”は、人を救いもしましたが――。
人や物の記憶が“見える”不思議な力を持つ少女が出会った、五つの事件、様々な人々、そして人なればこその、深い喜びと哀しみ。

気鋭の直木賞作家が、ノスタルジーとともに現代人の忘れ物を届けます。

昭和三〇年代。当時私は東京の下町で母さまと姉さまと三人、貧しいながらも仲むつまじく過ごしておりました。姉さまは、抜けるように色が白く病弱で、私とは似ても似つかぬほど美しい人でしたが、私たちは、それは仲の良い姉妹でした。ただ、姉さまには普通の人とは違う力があったのです。それは、人であれ、物であれ、それらの記憶を読み取ってしまう力でした・・・・・。

小さな町を揺るがすひき逃げ事件、女子高生殺人事件、知り合いの逮捕騒動・・・・・
不思議な能力を持つ少女が浮かび上がらせる事件の真相や、悲喜こもごもの人間模様。現代人がいつのまにか忘れてしまった大切な何かが心に届く、心温まる連作短編集。
  ――帯より


語るのは、年取った和歌子。不思議な力をもつ姉さま・鈴音の妹であるワッコである。
東京タワーができた頃の東京下町で、彼女が姉さまとともに目の当たりにした出来事のあれこれを思い出しながら語るのである。
鈴音と書いて<りんね>という名をもつ姉の不思議な力は、人助けにもなったが、知らなくていいことまで知ってしまうこともあり、鈴音も悩むのだったが。

要所要所に教訓めいたことごとが散りばめられているのだが、それが説教臭くならず自然に心に染みてくるのは、姉さまや母さまに語らせる著者の妙技だろうか。
次に期待をもたせるような記述があちこちにあるのは、続編を想定してのことだろうか。いま、彼女たちのことをもっと知りたい思いである。


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<花>の本と映画の感想
しんちゃんの買い物帳

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わくらば日記 [朱川湊人]

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  • 2006/04/11(火) 18:19:28

「わくらば日記」朱川湊人

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  • 2007/05/01(火) 17:10:42

この記事に対するコメント

私も続編に期待大です!
お母様、素敵だった…。

  • 投稿者: chiekoa
  • 2006/04/11(火) 18:20:00
  • [編集]

背筋がしゃんと伸びている感じがしますよねぇ、お母さま。

実は「姉さま」のこと
帯でみた時「あねさま」と読んでしまいました。
なんか違うイメージになっちゃいますね^^;

  • 投稿者: ふらっと
  • 2006/04/11(火) 18:27:23
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あねさま…!なんか笑えます。いいです!
ねぇさまっていうと…なんか「明かりをつけましょぼんぼりに~」なイメージ。

  • 投稿者: chiekoa
  • 2006/04/11(火) 19:02:48
  • [編集]

TBさせていただきました?

生々しい事件もあるにもかかわらず、
暖かみのあるお話で、いいなと思いました。
私も続編に期待したいです。

  • 投稿者: 花
  • 2006/04/19(水) 20:25:45
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花さん、アメブロさんとはどうもTBの相性がよくないらしく
せっかくTBしていただいたのに反映されなくてごめんなさい。
これに懲りずによろしくお願いします。

ほんとうに、事件がたくさんな割に全体のトーンはあたたかいお話でしたね。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2006/04/19(水) 20:40:56
  • [編集]

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