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十字路のあるところ

  • 2006/03/16(木) 21:04:37

☆☆☆・・



物語あり。
クラフト・エヴィング商會の作家と写真家が街を歩いて拾いあげた六つの絵巻

「夜を拾うんだ」
先生は事あるごとにそう言っていた。
「ピアノから黒い鍵盤だけ拾うみたいに」
そうした言葉が、黒砂糖を丸ごとのみこんだように、いまも僕の腹の中にある。
あんな人はもう二度と現われない。
  ――帯より


吉田篤弘さんの文と、坂本真典さんの写真で語られる街の話。
六つの物語のあとに、まるでその物語の舞台のような写真が数点 配される、という構成になっているのだが、実際はどちらが先にあったのだろう。
十字路・影・水、といった存在するのだが 取り立てて意識されないようなあれこれを、街の重要な要素としてひとつひとつ浮かび上がらせているのが興味深く、気づかされることも多い。
十字路とは、すべての出発点であると同時に、あらゆるものの帰結点でもあるという なにやら魔法のような、しかし考えてみれば当然のような不思議な感覚に包まれる。

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