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ストロボ*真保裕一

  • 2006/03/20(月) 20:21:31

☆☆☆・・



閃光が灼きつけたせつない記憶
いまも疼く5つのシーン
50歳のカメラマン喜多川の脳裏によみがえる熱き日々
  ――帯より

キャリアも積んだ。名声も得た。
だが、俺に何が残されたというのか――。
過ぎ去った時、遠い出会い、苦しい別れ。
女流写真家と暗室で愛を交わした四〇代、
先輩を凌駕しつつ、若手の台頭に焦りを抱いた三〇代、
病床の少女を撮って飛躍した二〇代、
そして学生時代を卒業した、あの日。

時間のフィルムを巻き戻し、人生の光と影をあぶりだす名編。
  ――見返しより


見返しの文章からもわかるように、時計は逆に回っている。
目次に記された章も第五章からはじまっているのである。

第五章  遺影  ・・・五十歳
第四章  暗室  ・・・四十二歳
第三章  ストロボ  ・・・三十七歳
第二章  一瞬  ・・・三十一歳
第一章  卒業写真  ・・・二十二歳


という具合である。
カメラマン喜多川の五十歳の現在から物語ははじまる。
こういう構成になっているので、五十歳の現在は華々しく成功しているか 散々に失敗しているかどちらかかと思いきや、どちらにも当てはまらない中途半端なカメラマン生活である。
読み進むにつれて、喜多川の現在に繋がる出来事がどんどん明かされていくのだが、時間を逆走している読者にはわかるがそのときの喜多川自身にはわからないことが多々あり、もどかしく思うこともある。過去に遡るからこそ見えてくるものも多くあり、人生のままならなさに身悶えする。




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  • 2010/01/03(日) 22:02:02

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