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空ばかり見ていた*吉田篤弘

  • 2006/04/13(木) 20:51:55

☆☆☆☆・



12の連作短編集。
ホクトはフランスへ渡りパントマイムの修行をしていたが、父の具合が悪くなり亡くなると そのままフランスへは帰らず 家業の床屋を継いだのだった。
ある日商店街の和菓子家・布袋家が研修旅行で行ったパリのお土産に、いつもホクトが話していたマアトという繊細な菓子をもってきた。無造作に新聞紙に包まれていたマアトは粉々に崩れてみる影もなかったのだが、その新聞紙に目を止めたホクトは深刻な表情になっていた。そしてそのあと、休業の貼り紙を残してホクトは姿を消したのだった。

はじまりの章で姿を消してしまうホクトは、次の章から 過去へ戻ったり時間を進めたりしながらいろいろな場所に移動床屋として姿を現わし、どの場所でもホクトでしかありえない雰囲気を漂わせ 人々と関わっている。
読み進むうちに時間をも空間をも旅しているような不思議な心地にさせられる。吉田篤弘さんの物語はどれもそうなのだが。
そしてなぜだか、安野光雅さんの『旅の絵本』に流れる空気を思い出した。


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今日何読んだ?どうだった??

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「空ばかり見ていた」 吉田篤弘

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  • From: 今日何読んだ?どうだった?? |
  • 2006/06/28(水) 21:05:48

この記事に対するコメント

ひとつひとつの物語は淡くしか覚えてないんですが,読んでいたときに見えていた風景は今でもくっきり思い出せる,そんな作品です。不思議な物語ですね,いろんな意味で。

  • 投稿者: まみみっくす
  • 2006/06/28(水) 21:07:30
  • [編集]

ほんとうにそんな風でした。
ホクトをとりまく匂いまで知っているような心地になります。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2006/06/29(木) 07:11:40
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