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声の網*星新一

  • 2006/04/28(金) 19:03:48

☆☆☆☆・



電話に聞けば、完璧な商品説明にセールストーク、お金の払込に秘密の相談、ジュークボックスに診療サービス、なんでもできる。便利な便利な電話網。
ある日、メロン・マンション一階の民芸品店に電話があった。「お知らせする。まもなく、そちらの店に強盗が入る・・・・・」そしてそのとおりに、強盗は訪れた!
12の物語で明かされる電話の秘密とは?
解説・恩田陸
  ――文庫裏表紙より


第六住宅地区のA号ビル、通称メロン・マンションの一階から十二階までの住人を一章ごとに主役にして物語りは進んでゆく。主役は電話(網で人を操るコンピューター)。
世界中に電話網が張り巡らされ、技術を持つ人ならわずかの操作で個人情報を思うままに知り得る時代が描かれている。
もうこれは唸るしかない! 恐るべし作家の空想! 恐るべし星新一!
いま新しくかかれた物語だとしたら、まったく驚くことはないのだが、なにしろ初出は1970年だという。いまから35年以上も昔なのだ。それなのに21世紀の現代をこれほどまでに想い描いていたとは。

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