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ひなた*吉田修一

  • 2006/05/30(火) 20:43:21

☆☆☆・・

ひなた ひなた
吉田 修一 (2006/01/21)
光文社

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一組のカップル、一組の夫婦、
そして一人の男の物語
さらけださない、人間関係

芥川賞受賞直後、JJという舞台で著者が試みたこと
  ――帯より


この小説は、おずおずと、いつのまにか産まれ、巨大ななにかに成長していた。
別の「物語」が棲息する空間に、出かけたのです。
それは、少なくとも、閉じ込もるよりましなことだ、と作家は考えたのではないでしょうか。
そして、そう考える作家は、いつもたいへん少ないのです。
  高橋源一郎


春・夏・秋・冬 と季節を追って物語りは進んでゆく。それぞれの季節に主な登場人物4人がそれぞれの立場で語る。4人とは、大学4年の大路尚純・その恋人で超有名アパレル企業に就職したばかりの新堂レイ・尚純の兄浩一・その妻で雑誌編集者の桂子である。
大路家は茗荷谷の坂の途中にある築五十年以上の古いが立派ともいえる家で、両親と尚純が暮らしていたが、兄夫婦が同居することになり、しかし、嫁姑の確執もなく 至極円満に暮らしている。

世間も自分たちも何不足なく幸せに暮らしていると思っているであろう毎日でも、日が当たる部分があれば陰になる部分ができてくるものなのだろう。なにがどうと言葉にすることはできなくても、漠然と 意識の下のどこかに それは少しずつ積もっていくのかもしれない。
著者は、一言で表わすことのできない「人」というものの特性を描いて妙である。
そして、読み終えて胸に残ったのは、微かな悲しみと寂しさだった。

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ひなた [吉田修一]

ひなた吉田 修一 光文社 2006-01-21新堂レイは、誰もが知っているブランド、Hの広報に就職したばかりの新卒。昨年、元同級生の大路尚純と偶然再会して付き合い始めた。尚純は一浪でまだ学生、文京区小日向の実家に家族と暮らしている。その実家に兄浩一と兄嫁の桂子が引っ

  • From: + ChiekoaLibrary + |
  • 2006/06/21(水) 18:51:04

<面白い>『ひなた』 吉田修一 (光文社)

ひなた吉田 修一 / 光文社(2006/01/21)Amazonランキング:位Amazonおすすめ度:Amazonで詳細を見るBooklogでレビューを見る by Booklog“都会人の持つ空虚感”を的確に描写。この作品は雑誌“JJ”に連載されていたものを大幅改稿したもの。やはり女性読者を強く意識して書

  • From: 活字中毒日記! |
  • 2006/06/22(木) 00:37:35

ひなた、吉田修一

カバー写真は安村祟。1996年「Water」で文学界新人賞最終候補。1997年「最後の息子」で、第117回芥川賞候補。2002年「パレード」で第15回山本周五郎賞受賞。「パーク・ライフ」で第127回芥川賞受賞。

  • From: 粋な提案 |
  • 2006/06/22(木) 16:31:32

ひなた    ~吉田 修一~

男女4人がそれぞれ話しを進めていく。春夏秋冬で1年間をそれぞれがそれぞれの立場で他の3人と周りを取り囲む人々の現状も踏まえながら話を続けていく。それぞれが何かしら不安や悩みを抱えながら、日々の生活

  • From: My Favorite Books |
  • 2006/09/09(土) 23:14:47

この記事に対するコメント

ぶっちゃけ私、この帯裏の源一郎さんのコメントの意味がさっぱり…。でもうっかり一番印象に残っちゃいました。さすが巨匠。

  • 投稿者: chiekoa
  • 2006/06/21(水) 18:51:56
  • [編集]

あは。
これわからないですよね^^;
吉田さんはおわかりになったのかしら?

  • 投稿者: ふらっと
  • 2006/06/21(水) 18:56:30
  • [編集]

ふらっとさん、こんばんは♪
活字中毒日記のトラキチです。
TBさせていただきました。

私は結構吉田さんのさりげなさが好きなんですが、本作でも桂子の描写が魅力的だったと思います。

人と人との距離感ってむづかしいですよね。

掲載がJJらしいですね。
でもJJって独身女性向けなのでしょうか?
もしそうだったら結婚したくなくなるでしょうね(笑)

  • 投稿者: トラキチ
  • 2006/06/22(木) 00:52:14
  • [編集]

桂子は描き込まれていましたね。
不倫小説は嫌いなのだけれど
これは、人間描写がとても苦しげで 思わず肩入れしたくなりそうでした。
それに比べると 男性陣はさらりと書かれすぎていたような気もしました。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2006/06/22(木) 07:28:38
  • [編集]

私も、この高橋源一郎さんのコメントの意味はわかりません。取りようによっては、ホラー!?

ふだん意識せずに使い分けていることを、こうして小説で読むと日常がドラマチックに感じられるような気がします。

  • 投稿者: 藍色
  • 2006/06/22(木) 16:30:58
  • [編集]

そうですね。
誰でも似たようなことをしている気がします。
文章にされてはじめて「そういうことだったのか」と
納得するみたいなこともありますし^^;

男性が薄い感じなのは
著者の特性?でしょうか。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2006/06/23(金) 07:08:35
  • [編集]

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