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台所のおと*幸田文

  • 2006/06/15(木) 17:35:57

☆☆☆・・

台所のおと 台所のおと
幸田 文 (1992/09)
講談社

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暮らしのなかのなにげない音に絡みあう 男と女の意気地。
生きる哀しみを捉える確かな視線と透徹した感性。
  ――帯より


昭和31年から45年の間にさまざまな文芸誌に掲載された十の短編をまとめた一冊である。
表題作のほか、濃紺・草履・雪もち・食欲・祝辞・呼ばれる・おきみやげ・ひとり暮らし・あとでの話。
日本人の暮らしが欧米化し、近代化する過程でぽろぽろと落としてきてしまった心意気や 忍耐、気配り 思いやり などというものをさりげなく思い出させてくれるような物語たちだった。
一見すると虐げられているかのように見える女性(妻)の、だからこその意気地を垣間見るようで、哀しくやりきれなくもなるが 清々しい思いもするのである。

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