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廃用身*久坂部羊

  • 2006/07/06(木) 17:36:35

☆☆☆・・

廃用身 廃用身
久坂部 羊 (2003/05)
幻冬舎

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悪魔による老人虐待か、それとも奇跡の療法か!?
すぐ、そこまで来ている現実を予言する、衝撃のミステリ。

「グロテスク」に対して、これほど真摯に取り組んだ作品はない。
文学が忘れかけていた異様で危険な手応えが、ここにはある。
――春日武彦氏(精神科医)絶賛!

現役医師作家の恐るべきデビュー作。

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「廃用身」とは、脳梗塞などの麻痺で動かなくなり、しかも回復の見込みのない手足のことをいう医学用語である。医師・漆原糾(うるしはらただす)は、神戸で老人医療にあたっていた。心身ともに不自由な生活を送る老人たちと日々、接する彼は、〈より良い介護とは何か〉をいつも思い悩みながら、やがて画期的な療法「Aケア」を思いつく。漆原が医学的な効果を信じて老人患者に勧めるそれは、動かなくなった廃用身を切断(Amputation)するものだった。患者たちの同意を得て、つぎつぎに実践する漆原。が、やがてそれをマスコミがかぎつけ、当然、残酷でスキャンダラスな「老人虐待の大事件」と報道する。はたして漆原は悪魔なのか?それとも医療と老人と介護者に福音をもたらす奇跡の使者なのか?人間の誠実と残酷、理性と醜悪、情熱と逸脱を、迫真のリアリティで描ききった超問題作!
  ――帯より


正直なところ 読み始めるのに、かなり躊躇いがあった。タイトルからしてすでに覚悟なしには読めそうもない。
そして、覚悟して読み始めたが、やはり老人医療の現場の壮絶さには想像を越えるものがあった。
作品の構成もあたかもドキュメンタリーのような作りになっており、読み初めてしばらくは そこここに違和感を覚えながらも この医師が著者自身かと思ったほどである。後半に編集者註をつけたことでリアル感も客観性も増すことになり効果的である。が、結局何が真実だったのかは最後まで判らない。漆原医師の真実も、老人たちの真実も、介護者たちの真実も。どれもが ただ並べられているだけで、そこから真実を見極めるのは難しすぎる。それをさせることが著者の意図するところなのかもしれないが。
ひとつ確かなのは、介護の未来が明るくはないことだろう。20年後にご自身が生きているかどうかさえ怪しいお年寄りの政治家たちに任せておける余裕はない、ということである。


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本を読んだら・・・byゆうき

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● 廃用身 久坂部羊

廃用身久坂部 羊幻冬舎 2003-05もう、誰に最初に薦められたのかわからなくなってしまったくらい、色んな人に薦めていただいていて、やっと読めました、「廃用身」。廃用身とは、麻痺し、直る見込みのない手足のことです。介護する側にとっては、重く邪魔なものですし、本人

  • From: 本を読んだら・・・by ゆうき |
  • 2006/08/06(日) 01:21:24

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