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天使のナイフ*薬丸岳
- 2006/07/12(水) 18:14:28
☆☆☆・・ 少年の真の更生とは?大反響の感動ミステリー 天使のナイフ
薬丸 岳 (2005/08)
講談社
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いやあ、よく出来ている。
展開は二転三転し、終盤はどんでん返しの連続。まさにミステリー的興奮がみなぎっている。 池上冬樹氏
最後に浮かびあがってくる驚くべき事実にであったとき、読者はこれが問題提起の社会派ミステリーの顔だけでなく、周到に伏線の張られた正統的推理小説の顔も持ちあわせているのを知ることになる。 深町眞理子氏
緻密なプロット、巧みな伏線、そして何よりも、重いテーマと真摯にむきあった作者の誠実な姿勢が心に残る。 相原真理子氏 ――帯より
チェーン展開するコーヒーショップのオーナー店長の桧山は、仕事中に 自宅で何者かに妻を殺された。しかも5ヶ月の娘の目の前で。そして犯人として上がっていたのは、13歳の中学生三人組だった。そのときから桧山の無念は少年法によってやり場のないものとなったのだった。
妻を失って4年経ったいま、犯人の少年のひとりが殺された。現場が桧山の職場の近くだったこともあり、警察が事情を訊きにやってきた。
そのことをきっかけに、桧山は少年たちが事件のあと、どのように過ごし 更生したのかそうでないのかを知るべく 残りのふたりの少年たちを探し始めるのだが...。
途中で何度も思ってもみなかった展開になり、開けたと思った景色にまた別の影が差す。犯罪に――罪を犯したのが少年であればなおさら――終わりなどないのだということを見せつけられているようでもある。真の意味での更生とは何なのだろう。それさえ被害者側と加害者側、そしてそれ以外の人々にとってまったく別の意味を持つのかもしれない。
ただでさえ驚くべき事件が立て続けに起きているというのに、最後にそれをはるかに超える驚愕が待っていようとは。恐ろしく、哀しく、やるせなく、思いの持って行きどころを失う心地である。
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「天使のナイフ」(薬丸岳著)
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● 天使のナイフ 薬丸岳
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- 2006/07/13(木) 11:53:04
天使のナイフ、薬丸岳(やくまるがく)
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「天使のナイフ」薬丸岳
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この記事に対するコメント
少年法、加害者側、被害者側の問題をしっかり捕らえていた作品でしたね。
更生そして謝罪、償いについても考えさせられました。
桧山の苦悩もさることながら
祥子の母の心情を思うと胸が詰まります。
罪を裁くことの難しさに正解は出せないのではないかと思うけれど、
罪を犯したのが少年だと、なおさら答えにたどり着けません。
いろいろ考えさせられる一冊でした。