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さざなみ*沢村凛

  • 2006/07/16(日) 08:35:20

☆☆☆・・

さざなみ さざなみ
沢村 凛 (2006/01)
講談社

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世界は波でできている
次々に難題を出す謎の女主人。執事となった借金男が思いついた、波紋とシマウマと世界征服が一度に見える奇案が生む不測の結末。

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「百歩譲って<幸福の手紙>が善と悪を両立させた存在でないとしても、これをヒントに、これから私たちがやろうとしているネズミ講をそのようなものにすることは可能だと思います。つまり、善そのものを、悪であるネズミ講のしくみのなかで広げていくようにするのです」絹子さんの顔がぱーっと輝いた。俺は勝利を確信した。「それって、とってもおもしろそう。で、具体的には、どうやるの」??<本文より>


 |銀杏屋敷
 |奥山史嗣
 |ケース
が1セットになり、それが 7セット+α 連なっている、不思議な形態の連作である。
「銀杏屋敷」では、この章の語り手で、借金地獄にはまり込んでもがいているところを 執事として雇い入れられた秋庭が、女主人の絹子さんに言いつけられた仕事をこなす様子が語られる。
「奥山史嗣」は、そのまま奥山史嗣の陥った苦悩が描かれる。
「ケース」は、毎回主人公を替え、タイトルどおり様々なケースが語られる。

まったくちぐはぐに見える 1セットになる三つの章が、どう繋がるのかさっぱり見当もつかずにしばらく読み進んだのだが、こんな風に繋がっていたなんて!まさに《さざなみ》である。
そして、読者もろとも秋庭の思い込みに見事にやられるのだった。 あぁ、絹子さん...。
いちばんはじめの《ぽちゃん》の及ぼす影響――良くも悪くも――を思い知らされる一冊だった。



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今日何読んだ?どうだった??

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「さざなみ」 沢村凛

さざなみposted with 簡単リンクくん at 2006. 9. 5沢村 凛著講談社 (2006.1)通常24時間以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見る

  • From: 今日何読んだ?どうだった?? |
  • 2006/09/15(金) 14:15:06

この記事に対するコメント

そのいちばん最初の<ぽちゃん>は何気なく自分が行ってることだったりもするわけですよね。あとがきまで読み応えのある作品でした。

  • 投稿者: まみみっくす
  • 2006/09/15(金) 14:18:02
  • [編集]

その何気なく落とした最初のひと粒が
とんでもない波紋の始まりになるかもしれないと思うと
ちょっと怖くもありますね。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2006/09/15(金) 16:55:50
  • [編集]

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