fc2ブログ

七姫幻想*森谷明子

  • 2006/07/20(木) 22:11:33

☆☆☆・・

七姫幻想 七姫幻想
森谷 明子 (2006/02)
双葉社

この商品の詳細を見る

寵姫の閨でなぜ大王は死んだのか???遥か昔から罪の匂いをまとってきた美しい女たちがいる。時代を経てなお様々に伝わる織女伝説をモチーフに、和歌を絡めながら描く七編の連作ミステリー。鮎川哲也賞受賞作『千年の黙』で注目を浴びた作家の最傑作。


たなばたの七姫(ななひめ)
織女の七つの異称である秋去姫(あきさりひめ)・朝顔姫(あさがおひめ)・薫姫(たきものひめ)・糸織姫(いとおりひめ)・蜘蛛姫(ささがにひめ)・梶葉姫(かじのはひめ)・百子姫(ももこひめ)の称。
                      小学館『日本国語大辞典』より


ささがにの泉、秋去衣、薫物合、朝顔斎王、梶葉襲、百子淵、糸織草子の七つの姫の連作物語。
突き詰めると、守る姫と 守られる者(皇子)との物語といえるのだろうか。
時を替え、処を替え、人を替えても尚、脈々と受け継がれる本質とも言える物語なのだろう。そして、そこには常に秘密があり、謎があり、即ちミステリなのである。
表舞台しか見たことのない雅な世界の裏側を 束の間覗き見たようなわくわく感もあり、「あぁ、それで」と腑に落ちることもあり、と幾通りにも楽しめる一冊だった。

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する