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デッドエンドの思い出*よしもとばなな

  • 2004/01/28(水) 08:15:45

☆☆☆・・


あとがきに 何ひとつ身に起きたことなど書いていないのに いちばん私小説らしい小説だ と書かれている。過去のつらかったことを全部清算しようとしたのか とも。

確かに出来事としては 辛いことばかり描かれているのだが
読者は一緒になって辛い気分にはならないと思う。少なくとも私はならなかった。
なぜかというと どの物語も 辛い気持ちが浄化され 少しずつ凹みが元に戻ってゆく話しだから だと思う。

以前にも他の作品の感想に書いたかもしれないが ばななさんの書く食べ物は
たとえそれが ご馳走でもなくありきたりなものだとしても とても温かく美味しそうである。そして それがものすごく魅力的なのだ。
自然の 宇宙の営みの 不思議だけれど当然の成り行きを 跳ね返すことなく自然に躰や心に受け容れていこう、と素直に思わされる ばなな風味な一冊だった。

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