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福音の少年*あさのあつこ

  • 2006/09/08(金) 18:25:10

☆☆☆・・

福音の少年 福音の少年
あさの あつこ (2005/07/20)
角川書店

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「私のこと、あなたにだけは忘れてほしくない」

十六歳の永見明帆は、同級生の藍子とつきあっていても冷えた感情を自覚するだけ。唯一、彼が心に留める存在は藍子と同じアパートに住む彼女の幼なじみ、柏木陽だった。藍子の様子がおかしい?そう気づいたある日、母親とけんかした陽が突然泊めてくれ、と訪ねてくる。その夜半、陽のアパートが火事で全焼、藍子も焼死体で発見される。だが、それは単なる事故ではなかった。真相を探り始めた彼らに近づく、謎の存在。自分の心の奥底にある負の部分に搦め捕られそうになる、二人の少年。十代という若さにこそ存在する心の闇を昇華した、著者渾身の問題作。
  ――帯より


東京からやってきて、夜の闇の中で アサヒ・コーポの焼け跡に立つ男と二人の少年とが出会うところから物語は始まる。男は誰で 何のためにその場所へきたのか、そして少年たちは・・・。

少年たちの裡に秘めるものの言いようもない重さに、普通ではない能力――たとえば恩田陸の常野の人々のような、あるいはこの著者の白兎のような――を持つ者たちなのかと思ったりもしたのだが、そうではなく、十代のちょっと鋭い若者特有のものだと後になってわかる。それにしては、特定の種類の人にしか興味を示さない程度は尋常ではないようにも思うのだが。
居場所を探る少年たちやアサヒ・コーポとともに滅んだ少女の、そして 残された命がいくばくもない男の、抱える闇が 彼らを導き引き合わせたのだろうか。
タイトルの「福音」とは何を意味するのだろう。読み解くのがなかなか難しい物語でもある。



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福音の少年

********************************************************************** 十六歳の永見明帆は、同級生の藍子とつきあっていても 冷えた感情を自覚するだけ。唯一、彼が心に留める存在は 藍子と同じアパートに住む彼女の幼なじみ、柏木陽だった。 藍子の様子がおかしい?そ

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  • 2006/12/05(火) 15:07:30

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