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繭の密室*今邑彩

  • 2006/10/20(金) 17:17:18

☆☆☆・・

繭の密室 繭の密室
今邑 彩 (1995/12)
光文社

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都内のマンションで飛び降り事件が発生した。警視庁刑事・貴島柊志は、被害者・前島博和の遺体に残された奇妙な点から、事件の不可思議さを感じ取る。事実、七階にある前島の部屋には、何者かが前島を襲った形跡が残されていたが、その部屋は完全な密室状態であった。忽然と消えた犯人の姿を求め、貴島は、六年前に起きた事件を浮かび上がらせる。だが、その事件に関わる人物も不可解な死に巻き込まれていた。さらに、同時に発生した誘拐事件が、事件の謎を深めてゆく…。流麗な筆致で描かれる、不可能犯罪の妙と冴え。女流気鋭が放つ、驚愕の本格推理小説、書下ろしで登場。


マンションのベランダから転落死した男と、中学時代からの友人たち。彼らのつながりに 何か腑に落ちないものを感じた貴島は、彼らが中学三年だった六年前の級友の自殺という出来事に行き当たる。いじめだったのか、そして本当に自殺だったのか。当時担任で、その学年の卒業と同時に辞職していた日比野と、その妹まで巻き込んで、事は進んでいく。
見事にトリックに引っかかっていたことに気づくのは、事件の真相が明らかになっってからだった。なるほど、そう言われればちゃんと伏線が張られていたのだった。
そして、こんな結末を迎えながら まだ自らの過ちを自覚できずにいる人物がいる。これから起こる事件の小さな芽が、いま芽生えたところかもしれない。

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