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一瞬の風になれ3*佐藤多佳子
- 2006/11/21(火) 17:57:18
☆☆☆☆・ すべてはこのラストのために。話題沸騰の陸上青春小説 一瞬の風になれ 第三部 -ドン-
佐藤 多佳子 (2006/10/25)
講談社
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ただ、走る。走る。走る。他のものは何もいらない。
この身体とこの走路があればいい……
「1本、1本、全力だ」
そして、俺らはいつものように円陣を組んだ。総体に行くためだけでなく、タイムを出すためだけでなく、鷲谷と戦うためだけでなく、何より、俺たち4人でチームを組めたことのために走りたいのだった。
「この決勝走れて、どんなに嬉しいか、言葉じゃ言えねえよ」
全3巻圧倒的迫力の完結編!!
まったくもって「言葉じゃ言えねえよ」という感動である。またもや泣かされてしまった。
あの緊張の塊でトイレに駆け込んでばかりいた新二が、目の前のコースを<自分だけのための一本の走路>と思えるまでに成長し、ただ速く走れる少年だった連が、しっかりと春高 陸上部の一員としての連になったのだ。そしてそれだけではなく、関東大会の大舞台で最高の4継を走るまでになったのである。
それぞれみんな違う個性の陸上部員たちが一丸となって成し遂げたことでもあり、春高陸上部創設以来の顧問や部員ひとりひとりの汗と涙と無念と喜びが連綿とつながってきた結果でもあるのだろう。
新二と連の素晴らしさは言うまでもないが、かなり重要な役どころなのが根岸ではないだろうか。単独で主役を張れる器ではないが、身の程を冷静にわきまえ、それでいて卑屈にならず 常に自分を高める努力は怠らない。さらに、チームのことを第一に思い、ときには自分を抑えて後輩に適切な指導をする。そしてチームのムードメーカーでもある。彼なしには春高陸上部はありえなかっただろうと思う。
そして、一層の高みを目指して、彼らが明日も走り続けることを確信させてくれるラストもとてもよかった。
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「一瞬の風になれ 3 -ドン-」 佐藤多佳子
一瞬の風になれ 3posted with 簡単リンクくん at 2006.10.28佐藤 多佳子著講談社 (2006.10)通常24時間以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見る
- From: 今日何読んだ?どうだった?? |
- 2006/11/21(火) 19:29:27
一瞬の風になれ 第3部 -ドン- 佐藤多佳子 講談社
終わってしまった・・。いや、これで物語は終わりなんですが、これは、「イチニツイテ」「ヨーイ」「ドン」、つまりここからまた始まる何かを感じさせる、爽やかさ。この物語は、佐藤さんの代表作になるんじゃないか、と思うほどの素敵な仕上がりです。
- From: おいしい本箱Diary |
- 2006/11/29(水) 00:28:03
【一瞬の風になれ】 佐藤多佳子
===== 一瞬の風になれ(全3巻) 佐藤多佳子 講談社 =====噂に違わぬいい本だった。何かに夢中になれるってすごい。たった三年という区切られた短い時間だが、これほど濃密な時間はなかったと、自分の平凡な高校時代を振り返ってもそう思う。あふれるほどの情熱と、ほとばし
- From: ぞうの耳 -本に埋もれて暮らしたい- |
- 2006/12/05(火) 15:44:30
一瞬の風になれ 第三部 ドン
『一瞬の風になれ 第三部 -ドン-』佐藤多佳子(講談社)すべてはこのラストのために。話題沸騰の陸上青春小説ただ、走る。走る。走る。他のものは何もいらない。この身体とこの走路があればいい……。「1本、1本、全力だ」そして、俺らはいつものように円陣を組んだ。総体に
- From: ぼちぼち。 |
- 2006/12/05(火) 22:17:01
一瞬の風になれ 3 ―ドン― [佐藤多佳子]
一瞬の風になれ 第三部 ― ドン― 佐藤 多佳子 講談社 2006-10-25『一瞬の風になれ 第一部 ―イチニツイテ―』、『一瞬の風になれ 第二部 ―ヨウイ―』に続く、『一瞬の風になれ』三部作の第三部、ついに完結編です。高校二年生の終わりから、三年生へ。新入生の入部。新し
- From: + ChiekoaLibrary + |
- 2006/12/14(木) 14:33:29
一瞬の風になれ第三部ドン 佐藤多佳子
カバーイラストはクサナギシンペイ。デザインは有山達也、飯塚文子。着実に力をつけた新二は高校3年に。トレーニングに耐える身体を作り、逃げない闘志を鍛えてきた連。…砂浜走反復3000mのエネルギー・ゼロ。自分の指
- From: 粋な提案 |
- 2007/01/20(土) 11:50:37
佐藤多佳子の「一瞬の風になれ」を読んだ!
この本のことは去年の夏の終わり頃から、なんとなく耳に入ってきたので知ってはいました。本の題名はわからず、陸上部のことを書いた高校生の「スポコンもの?」の本だというので、僕は絶対に読まないだろう分類の本だと思っていました。汗くさい「青春」というも
- From: とんとん・にっき |
- 2007/01/27(土) 09:30:41
『一瞬の風になれ』(佐藤多佳子著)(3)ドン
『一瞬の風になれ』の第3部ドンを読み終わった。 第3部は、主人公神谷新二と親友でありライバルでもある一ノ瀬連の2人の高校アスリートとしての最後の3年生のシーズンを描く。インターハイの地区予選から始まり、県予選、最後はインターハイ出場をかける南関東大会。 4月に
- From: 栄枯盛衰・前途洋洋 |
- 2007/01/31(水) 22:26:32
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この記事に対するコメント
終わってしまいましたね。
この三ヶ月、本当に楽しませてもらいました。彼らのこれからがひかり輝くものであることを信じて。…終わってるってわかってるんですが、続きが読みたいそんな作品です。
自分は走るの大っ嫌いなくせに
ただ走っている彼らの物語がどうしてこんなに素晴らしいのか
よくわからないけれどとってもよかった!
終わってしまったのが信じられないくらいです。
はじめまして
私もこの本には泣かされました。
新二や連だけでなく、先輩、同輩、後輩、顧問、他校のライバル、登場人物の
みんなが愛おしく思えました。
小葉さん、はじめましてようこそ。
登場人物みんながよかったですね。
愛おしい、という気持ちとてもよくわかります。
ふらっとさん、こんばんは!!
ほんとに、全てが愛しい物語で、読み終えるのがさびしく思えました。
皆輝いて、素敵でした。青春のパワーと元気をわけてもらったような気になりますね。まさに青春小説の王道と呼ばせていただきます!!
どんどん先を読みたいのだけれど、読み終えてしまうのがもったいない。
そんな作品でしたねぇ。
こんばんへ。はじめまして。
すごい作品でしたね。興奮しました。
終わってほっとしたような、残念なような複雑な気持ちです。でもまだまだもっと読み続けていたかったかな?
ほんとうに、読み終えてしまうのがもったいなかったですね。
佐藤多佳子さんに「ありがとう」と言いたいです。
走りたく…なりますよね。できないけど…もう無理だけど…。ちょっと運動部に所属したことのない自分がさみしくなりました。こんな風に、何かを突き詰めてみるのも…!!
少しでも躰でこの喜びを知っている人なら、絶対に走ってみちゃうことでしょう。
わたしも走れないので、「つもり」になるだけですけれど。
このあとにしをんさんの『風が強く吹いている』を読むと格別です。笑
爽やかな感動の余韻が続く、王道の青春小説でしたね。
新二と連の成長、ひたむきに挑む部員たちなど、読み応えがありました。
コーナーワークの名人でデカい夢を抱かせる根岸も素敵でした。
藍色さんもついに読み終えてしまったのですね。
もう彼らのこれからに立ち会えないのが残念になってしまうほど いつのまにか身近な気分で応援してしまっていたのでした。
はじめまして。
読み終わりました。かなり泣かされましたね。こんな青春を送ってみたいです。とても良い仲間達、先生に出会えた新二がが羨ましくてたまりません。読み終わってしまったのが残念でなりません・・・。続編でないかなぁ・・・なんてぼぉっと考えてしまいました。
新二や連のその後を知りたい気もするけれど
すでに三巻なので続編は難しいかもしれませんねぇ。
続編ではないけれど、三浦しをんさんの『風が強く吹いている』をつづけて読むと、彼等のその後を見ている気分にはなれますよ。オススメ!
ふらっとさんはじめまして。
そうなんですかぁ。「風が強く吹いている」ですね。今度絶対読んでみます!!!