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銀の砂*柴田よしき

  • 2006/11/30(木) 13:50:44

☆☆☆・・

銀の砂 銀の砂
柴田 よしき (2006/08/22)
光文社

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売れない作家の佐古珠美はかつて、女流ベストセラー作家・豪徳寺ふじ子の秘書だった。珠美は恋人の俳優・芝崎夕貴斗をふじ子に奪われ、彼女のもとを去った。夕貴斗はその後ふじ子とも別れ、いまは音信不通である。
ある日、珠美のもとをフリーライターの男が訪ねてきた。夕貴斗のことを訊きたいと言う。なぜ今さら?
過去が追いかけてくる。手に入れたはずの平穏な生活が崩れ始める


前半は、OLからロマンス小説の新人賞を取って華々しくデビューし、何年かのブランクの後、ミステリ作家として再起を果たし、長い間頂点に君臨していた豪徳寺ふじ子(本名:藤子)と、凡庸ながら小説を書き、藤子の小説にあこがれてその秘書をしていた佐古珠美。二人の良くも悪くも分かちがたい関係が描かれる。ずぶずぶと沈みこむような人間ドラマなのかと思いきや、いつの間にかミステリになっている。二時間ドラマのような趣である。
藤子の人生の波乱万丈さは、彼女の人生の前半と後半ではかなり趣を異にし、珠美の人生は、藤子なしには語れないものになっている。珠美の、と言うよりも、藤子以外の登場人物の誰の人生もが 藤子なくしては語れないようにも思われる。そんな運命を背負ってしまった藤子も哀しい。そして珠美も...。
本気で人を愛することを知らない人の愛の身勝手さと哀しさを見た思いもする。そしてまた、愛と憎のあまりの近しさに眩暈すら感じるのである。


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本を読んだら・・・byゆうき
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■ 銀の砂 柴田よしき

銀の砂柴田 よしき光文社 2006-08-22売れない作家・佐古珠美はかつて、ベストセラー作家・豪徳寺ふじ子の秘書でした。珠美は、恋人だった俳優の夕貴斗をふじ子に奪われ、それをきっかけに秘書をやめました。その後、夕貴斗はふじ子とも別れ、音信不通になっています。ある

  • From: 本を読んだら・・・by ゆうき |
  • 2006/12/10(日) 13:12:40

「銀の砂」柴田よしき

タイトル:銀の砂著者  :柴田よしき出版社 :光文社読書期間:2007/04/02 - 2007/04/03お勧め度:★★★[ Amazon | bk1 | 楽天ブックス ]売れない作家の佐古珠美はかつて、女流ベストセラー作家・豪徳寺ふじ子の秘書だった。珠美は恋人の俳優・芝崎夕貴斗をふじ子に奪わ

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