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ウメ子*阿川佐和子

  • 2006/12/03(日) 17:06:27

☆☆☆・・

ウメ子 ウメ子
阿川 佐和子 (1998/12)
小学館

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ウメ子は変わっている。ウメ子はふつうの子とちがう。初めて会った日から、みよはずっとそう思ってきた。ロビンフッドのような服装に、勇敢な行動。みよは、ウメ子の魅力に夢中になった。そんなある日、謎の紙芝居屋さんが現れ、行方不明だったウメ子の父さんの居場所が・・・。人と人が共感で結びついていたあのころ。誰もが貧乏で、さげすみもひがみも感じさせなかったあの時代。人間関係のむずかしい現代から、懐旧の世界に導かれる。人気エッセイストの阿川佐知和子さんが子ども時代の経験に想を得た、初の長編小説。坪田譲治文学賞受賞作品。


幼稚園に通うみよにとって、ある日突然転園してきたウメ子は その初日から気になる存在だった。ほかの子どもたちとは違う何かを感じ取ったのだった。一風変わった個性的な服装も、「イヤ」とはっきり言えるしっかりした自分を持った堂々とした態度も、笑うと片頬にできる可愛らしいえくぼも、なにもかもがみよの心を惹きつけたのだった。
ウメ子と過ごす毎日はいままでと違ってとても愉しく、いろいろなことを教えてもらいながら 一生の友だちだと思い定めていたのだった。
そんなある日、離れて暮らしている両親のけんかする姿に耐えられなくなりサーカスの綱渡りのスタンドに上ったウメ子は、バランスを崩して落ち 瀕死の怪我を負い、完全に治すために遠くの大病院へ移り、みよたちの前から姿を消してしまうのだったが...。

子どもたちが生きにくい現代だからこそ、ウメ子とみよのありようが輝いて見える。そして彼女たちの周りの大人たちの態度にも毅然とした温かみのようなものが感じられて、大人のひとりとして反省させられもする。みよの両親のわが子を尊重する姿勢、園長先生のじっくり話を聞き、子どもを信じて頭ごなしに決めつけない大きな見守りの姿勢。どんな世の中になっても変わらずに大切にしなくてはいけないことを思い出させてもらった気がする。

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