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死日記*桂望実

  • 2006/12/05(火) 20:09:42

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死日記 死日記
桂 望実 (2002/12)
エクスナレッジ
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十四歳の少年は、なぜ事件に巻き込まれたのか。活気と希望に満ちるはずの少年時代に、しのびよる『死』の影。少年は何を感じ、誰と出会い、どう生きてきたか。日記に淡々と綴られた少年の日常が、そのひたむきな思いを浮き彫りにし、胸を打つ。エクスナレッジ社名変更1周年記念企画「作家への道!」優秀賞受賞作。


タイトルからどんな話なのか想像するのが怖かった。水色の表紙に描かれた少年は何かを諦めたような、それでいて安心しきったような表情をしている。どんな物語なのだろうという期待と不安を同じくらい感じながらページを開いた。
14歳から15歳、中学三年生の一年間のひとりの少年・田口潤が綴った日記が日付を追って続いている。親友の小野君とのこと、小野君の家族のこと、学校生活のこと、アルバイトをするようになった新聞専売所のおじさんのこと、用務員さんのこと、担任の先生のこと、そして・・・暴力を振るう父と可哀相な母のこと。父が交通事故で亡くなった後 母が家に連れてきた加瀬という男のこと。大好きな母のこと。自分と親友の将来のこと。不安を抱えながらもあすを思い描く明るい気持ちも持っている中学三年生の少年の日記。
それに挟み込まれるようにして、取調室の描写がある。調べられているのは少年の母。容疑は、保険金目的の息子殺し。
少年の母への想いを日記中で知っているからこそ、切なく哀しすぎる結果である。家庭以外に居場所があり、気にかけてくれる人たちに恵まれ心から喜び感謝する瞬間が少年にあったことがせめてもの救いである。涙なしには読めない一冊である。

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