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芥子の花―金春屋ゴメス*西條奈加

  • 2006/12/08(金) 13:11:21

☆☆☆・・

芥子の花 芥子の花
西條 奈加 (2006/09/21)
新潮社

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上質の阿片が海外に出回り、その産地として、日本をはじめ諸外国から槍玉に挙げられた江戸国。老中から探索を命じられたのはご存知「金春屋ゴメス」こと長崎奉行馬込播磨守。ゴメスは、異人たちの住む麻衣椰村に目をつけるが…。辰次郎、NY出身の時代劇オタク・松吉、海外旅行マニア・奈美といった面々はもちろん、女剣士朱緒をはじめ新メンバーも登場し、ますますパワーアップした異色時代小説。


面白かった。面白くないわけではまったくなかった。だが、やはり一作目のインパクトには及ばなかったように思われる。一作目では、着想の奇抜さやゴメスの尋常ならなさにまず度肝を抜かれたが、今作ではもちろんそれらは当然のこととして話が先へ進むのである。現実離れした設定を愉しむというよりも、江戸国の暮らしぶりを眺めて愉しむ方に読者としての視点を変えなくてはならないのだろう。ゴメスの傍若無人ぶりも、腹の底がわかっているためか恐ろしさよりも頼り甲斐を感じてしまうのだった。
そうは言っても、阿片がらみの事件の謎解きも、新メンバー(?)朱緒の存在感も、相変わらずの裏金春の人々の様子も、興味津々で愉しませてもらったことにかわりはない。

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「芥子の花 金春屋ゴメス」 西條奈加

芥子の花posted with 簡単リンクくん at 2007. 1.30西条 奈加著新潮社 (2006.9)通常24時間以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見る

  • From: 今日何読んだ?どうだった?? |
  • 2007/02/17(土) 21:13:02

「芥子の花」西條奈加

芥子の花西條 奈加 (2006/09/21)新潮社 この商品の詳細を見る江戸から阿片が亜細亜各国に出回った。それを馬込播磨守寿々・通称ゴメス率いる長崎奉行の面々が捜索する。シリーズ2作目です。 読みは(まごめはりまのかみ

  • From: しんちゃんの買い物帳 |
  • 2007/03/10(土) 10:38:10

芥子の花金春屋ゴメス 西條奈加

装幀は新潮社装幀室。装画は村田涼平。ゴメスシリーズ二作目。書き下ろし。 海外に出回る阿片は江戸国産…金春屋ゴメスこと長崎奉行馬込播磨守寿々は配下たちに出所探索を命じます。甚三の喧嘩好きや良太の得意な口真似や指笛で既

  • From: 粋な提案 |
  • 2008/02/21(木) 03:46:01

この記事に対するコメント

こんな上司がいたら怖いだろうなぁ…と思いつつ、どうしても惹かれてしまいます。といって自分がなりたいか?というかとそういうわけでもなく。難しいですね(笑)

  • 投稿者: まみみ
  • 2007/02/17(土) 21:16:22
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「なれます」と言い切れる人はおそらくいないでしょうねぇ。
言い切られてしまうと、それはそれで怖い気が・・・。
不思議な魅力としか言いようがありません。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2007/02/17(土) 21:36:04
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ゴメスの超人ぶりが際立っていましたね。
配下の人たちの口ぶりから信頼感が伝わってきて
私も、やっぱり恐ろしさよりも頼り甲斐を感じられました。
でも配下にはなりたくありません。
という前に断られるでしょうけど(笑)。

  • 投稿者: 藍色
  • 2008/02/21(木) 03:37:00
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二作目ではもう、ゴメスはいい人にしか見えなくて
そのせいで一作目よりもインパクトに欠けた気がするのだけれど
超人振りには一層磨きがかかっていて別の愉しみ方ができました。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2008/02/21(木) 06:36:53
  • [編集]

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