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ダブル*永井するみ

  • 2006/12/18(月) 07:43:15

☆☆☆☆・

ダブル ダブル
永井 するみ (2006/09)
双葉社

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若い女性が突然、路上に飛び出し、車に轢かれて死亡した。事故と他殺が疑われたこの事件は、被害者の特異な容貌から別の注目を浴びることになった。興味を持った女性ライターが取材を進めると、同じ地域でまた新たな事件が起こる。真相に辿り着いた彼女が見たものは―。かつてない犯人像と不可思議な動機―追うほどに、女性ライターは事件に魅入られていく。新たなる挑戦の結実、衝撃の長編サスペンス。


物語は二人の視点で語られる。ひとりは、おっとりとやさしい雰囲気を持つ妊婦・柴田乃々香。もうひとりは、何とか自分を世間に認めさせる記事を書きたいと日々思っているライターの相馬多恵。

多恵は、自分でなくても書けるようなどうでもいい記事を書くことに嫌気がさしているところだった。そんなとき、デスクの清里が「いちゃつきブス女事件」と呼ぶ事件が起きる。結局は事故として処理されたこの事件に違和感を覚えた多恵は、被害者・鉤沼いづるの周辺を取材し続けるうちに その後起こった別の事件との共通点に気づく。
そして、その取材の過程で乃々香に出会うのである。二人は同い年ということもあり、近づいていくのだが、多恵の側には乃々香を一連の事件の犯人と疑う気持ちもあり、二人の距離感とかけひきが絶妙に描かれていてスリルさえ感じさせられる。
二人の視点で描かれているから『ダブル』なのかと思って読んでいたのだが、それが間違っていることがわかるのは最終章に辿り着いてからである。思わず「そんな・・・」とつぶやいてしまうような展開が待っていたのである。




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じゃじゃままブックレビュー

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ダブル 永井するみ著。

永井さん、初読みです。 3章からなる物語で、第1章ではちょっと潔癖症で、なにやら異常さを感じさせる妊婦と、小さなコラムしか任されなくて大仕事をしたいと願っている駆け出しのライター。 この二人を結びつけるきっかけとなる交通事故死、駅の階段の転落死が書かれて...

  • From: じゃじゃままブックレビュー |
  • 2007/12/06(木) 21:15:58

この記事に対するコメント

永井さんはお初だったんですけど。
個人的には、乃々香の夫とランチに行ったあの女にも不幸が起こるとこちょっと見たかったです。(鬼)

  • 投稿者: じゃじゃまま
  • 2007/12/06(木) 21:22:30
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