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モノレールねこ*加納朋子

  • 2007/01/02(火) 16:41:57

☆☆☆☆・

モノレールねこ モノレールねこ
加納 朋子 (2006/11)
文藝春秋

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時をこえて届くあの頃からの贈りもの。儚いけれど、揺るぎない―「家族」という絆。デブねこの赤い首輪にはさんだ手紙がつなぐ、ぼくとタカキの友情(「モノレールねこ」)。
夫を待つ時間に取り組んだ白いパズルの中に、犬の気配が(「パズルの中の犬」)。
家族をいっぺんに失った中学生の私と、ダメ叔父さんの二人暮らし(「マイ・フーリッシュ・アンクル」)。
私と偽装結婚したミノさんは、死んだ婚約者がそばにいると信じていた(「シンデレラのお城」)。
ロクデナシのクソオヤジに苦しめられてきた俺に、新しい家族ができた(「ポトスの樹」)。
会社で、学校で、悩みを抱えた家族の姿を見守るザリガニの俺(「バルタン最期の日」)。


上記に紹介されているほかに、「セイムタイム・ネクストイヤー」「ちょうちょう」

どれも、家族や近しい誰か(あるいは何か)を失う物語なのだが、失うところがおしまいではなく、そこからなにかがはじまる物語になっているので、悲しみよりも希望が、暗さよりも明るさが感じられる。
また、「ロクデナシ」が多く登場するが、どのロクデナシもいい味を出している。近くにいる者にとってはとんでもなく迷惑で、一刻も早く関わりを絶ちたく思うのだが、ロクデナシでなければ成せない役回りというのもあるのかもしれない と、こんな世知辛い世の中だからこそ思わされもする。
読後、しみじみと思うことの多い物語たちである。


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今日何読んだ?どうだった??

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モノレールねこ 加納朋子 文藝春秋社

加納さんの短編集です。柔らかくて優しい持ち味は、いつものまんま。そして、その中に瑞々しく書き込まれる人の心が、こちらに語りかけてくるように伝わってくる。一篇一篇がとてもよく練られていて人が自分の顔の後ろにひっそりと隠しているものを教えてくれます。ほんとに

  • From: おいしい本箱Diary |
  • 2007/01/08(月) 21:38:07

モノレールねこ 加納朋子

カバー装画・章扉イラストは菊池健。装丁は大久保明子。時をこえて届くあの頃からの贈りもの。儚いけれど、揺るぎない―「家族」という絆。短編集。1・モノレールねこ―デブねこの首輪に挟んだ手紙がつなぐ、ぼく:サト

  • From: 粋な提案 |
  • 2007/01/25(木) 11:50:18

「モノレールねこ」 加納朋子

モノレールねこposted with 簡単リンクくん at 2007. 2.25加納 朋子著文芸春秋 (2006.11)通常24時間以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見る

  • From: 今日何読んだ?どうだった?? |
  • 2007/02/26(月) 21:20:24

この記事に対するコメント

ねこ

あけましておめでとうございます。
昨年はお世話になりました。
今年もブログ楽しみにしています。
「ねこ」読まれましたか。
私はまだ読んでないんです・・・
図書館で予約はしてるんですが(泣)
早く読みたいです~~

  • 投稿者: まりも
  • 2007/01/04(木) 21:00:20
  • [編集]

まりもさん
あけましておめでとうございます。

『あのころの宝もの』の方が先に予約の順番が回ってきたので『モノレールねこ』だけは先に読んでいて、ほかの作品もたのしみにしていました。
加納さんらしい、さみしさとあたたかさを感じさせてくれる物語たちでした。
早く順番回ってくるといいですね。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2007/01/04(木) 21:08:14
  • [編集]

こんばんは

新年早々、ほろっとさせられました。加納さんは、不器用な人たちを描くのが本当にうまいですよね。
はじまりを感じさせる物語たち。
雨上がりの虹のようです。

  • 投稿者: ERI
  • 2007/01/08(月) 21:40:56
  • [編集]

>雨上がりの虹
言いえて妙ですねぇ♪

大上段に構えて主張するわけではないのに、圧倒的な存在感で心を明るくしてくれるようですね。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2007/01/09(火) 06:57:11
  • [編集]

とってもハートウォーミングな短編集でしたね。
心に残る名作揃いでした。

>ロクデナシでなければ成せない役回り
…思わず膝を打ちました。

  • 投稿者: 藍色
  • 2007/01/25(木) 11:45:36
  • [編集]

加納さん、さりげなく胸を暖めてくれるお話がお得意ですね。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2007/01/25(木) 13:00:23
  • [編集]

8編どれもステキでした。ひとつひとつ宝箱を開くように楽しませてもらいました。

事後報告で恐縮ですが、上記記事の各話紹介が大変よくまとまっていたので、転用させていただきました。勝手にすみません。もし不都合等ありましたら言ってくださいね。

  • 投稿者: まみみ
  • 2007/02/26(月) 21:22:43
  • [編集]

どれもほんとうに大切に読みたい物語ですね。

紹介文は、わたしもAmazonからの転載なので、どうぞどうぞお使いください^^*

  • 投稿者: ふらっと
  • 2007/02/27(火) 07:16:45
  • [編集]

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