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乱鴉の島*有栖川有栖

  • 2007/01/16(火) 13:03:40

☆☆☆・・

乱鴉の島 乱鴉の島
有栖川 有栖 (2006/06/21)
新潮社

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友人の作家・有栖川有栖と休養に出かけた臨床犯罪学者の火村英生は、手違いから目的地とは違う島に連れて来られてしまう。通称・烏島と呼ばれるそこは、その名の通り、数多の烏が乱舞する絶海の孤島だった。俗世との接触を絶って隠遁する作家。謎のIT長者をはじめ、次々と集まり来る人々。奇怪な殺人事件。精緻なロジックの導き出す、エレガントかつアクロバティックな結末。ミステリの醍醐味と喜びを詰め込んだ、最新長編。


火村&有栖コンビの最新刊。
「孤島物」と聞いて思い浮かぶような おどろおどろしい物語ではない。大烏が群れ飛んでいるのが不気味さを誘うが、それとても、火村先生の謎解きの助けとなってもくれるのだから まあ仕方がないか。
いまをときめくカリスマIT社長の闖入とか、クローン人間相談会とか、いささか盛り込まれすぎな感じがしなくはなかったが、そういった要素も見事に伏線に仕立て上げてしまうところがさすが著者、とも言える。
有栖との雑談で話題に上った「部外者以外立ち入り禁止」という間抜けな看板が火村の謎解きにきっかけを与えるのも絶妙で嬉しくなる。



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粋な提案
闘争と逃走の道程

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乱鴉の島 有栖川有栖

装画・装幀は大路浩実。1989年『月光ゲーム』でデビュー。『マレー鉄道の謎』で2003年、第56回日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門を受賞。主な作品『絶叫城殺人事件』『モロッコ水晶の謎』『虹果て村の秘密』(講談社ミ

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この記事に対するコメント

このところ火村シリーズのレビューを続けてアップされていたので、気になってました(読んだのですけど、記事なしです、涙)。
久しぶりの長編で期待してたこともあり、ちょっと残念な印象でした。
でも楽しめる部分は楽しみました。

  • 投稿者: 藍色
  • 2007/01/17(水) 02:55:14
  • [編集]

時代背景を出したかったのでしょうけれど、ちょっと盛り込みすぎな感はありましたね。
でも、関係者が手の内を明らかにしてくれないという状況のなかで、火村先生の脳みそはフル回転したことでしょう。
骨休め休暇のはずがかえってお疲れかもしれませんね。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2007/01/17(水) 07:10:21
  • [編集]

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